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生理の前後の悩み(PMS、月経痛)生理の前後の悩み(PMS、月経痛)

生理の前後の悩み(PMS、月経痛)


生理前から生理中 最悪な気分や体調で回りに迷惑をかけたり
トラブルになったことはありませんか?

近年女性の社会進出や雇用の均等を盛んに言われています。
子育て支援や保育所の整備など政府は
いろいろと対策しているようですが、
僕はこれでは片手落ちで効果は不十分だと考えています。 

これらの対策は子持ちの女性の支援が主です。
子供を産まない選択をしている女性や、
まだその適齢期になっていない女性にはその対応が忘れられています。

産婦人科医として長年診療していると女性の最大の特徴は
月経があることだと強く感じています。
当たり前ですが。
月経は男性では到底想像もできない女性の悩みの一つで、
人間関係や仕事、学業にかなりのアゲインスト(逆風)になっています。

月経の数日前からPMS(月経前症候群)といって、
頭痛や肩こりめまい、体のだるさと身体的な症状だけでなく、
イライラしたり怒りっぽくなったり、
落ち込みが激しく無気力になったりといった症状がでます。 

そのため 友達や家族、職場で思わぬトラブルになったり、
迷惑をかけたりと後から公開することはみなさんもあると思います。


生理になるとなったで、腹痛や腰痛、出血が多くて
外出もままならなかったり、激しい頭痛に襲われ
会社や学校を休まなければならないこともしばしばです。 
このように女性には特有の悩みであり
ディスアドバンテージなのです。

ではどうしたらよいでしょうか? 
軽い場合は痛み止めを服用して頑張る?
でもひどい方には効果は弱いです。

薬物治療では漢方薬を使用することも選択肢1つです。 
でも経験上はやりピル(女性ホルモン剤)を
使用することが一番効果があるようです。
ピルというと副作用が怖い、体重が増える? 
将来妊娠できる?避妊薬だから少し抵抗ある、など
いろいろと心配してなかなか服用まで勇気がいりますね。
実際副作用でドロップアウトした患者さんはごくわずかです。

しっかり副作用を理解して注意し、
しっかり管理してもらえる婦人科医に処方してもらえば心配ありません。
飲むことによって避妊だけでなく、
わずらわしい月経の悩みをかなり軽減することができます。
1か月でもいいから試しに飲んでみたらいかがでしょうか?
(ニキビが少なくなることもあります)

話は戻りますが、
欧米特にドイツなどは女性進出が活発です(メルケル首相をはじめ)
ピルの普及率も日本より格段に高く、
これも女性のピルの理解が進んでいるためかもしれませんね。
日本の女性も普及率が高まれば働きやすくなるし進出も盛んになるでしょう。

ピルも進化していろいろな種類も出ています。
もし子宮内膜症であればわずらわしい生理をしばらく止めてしまう、
そんな治療法もあります。しっかりと診断してもらい
あなたに合ったお薬を処方してもらうとよいと思います。

ちなみにお薬の種類とどんな患者さんに向いているかを
まとめましたので参考にしてください。 
尚 自費なのか保険なのかは婦人科医が
しっかり検査し診断してから決めます。
当院では保険でも自費でも窓口支払い料金の差はさほどありません。

* 一般的な低用量ピル(自費) アンジュ、ラベルフィーユ、ファボアールなど
* 子宮内膜症の治療薬(保険適用)

1 低用量ピルの一種 :ルナベル、ヤーズ
2 プロゲスチン製剤で長期間月経を止めるもの 
  : ディナゲスト、 ヤーズフレックス
3 女性ホルモンそのものを抑えて月経を止める(子宮筋腫にも適要あります)
  :リュープリン(注射)ナファレニール(点鼻薬) 
4 ミレーナ (避妊リングのように子宮内に装着する)
 薬理作用は➁と同じ  出産する予定のない方や40歳以上の方にお勧めします。